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高卒認定試験(旧大検)の英語・数学・社会|科目別にみる出題傾向

高卒認定試験(旧大検)の英語・数学・社会の科目別難易度と出題傾向

高卒認定試験(旧大検)は、6教科14科目の中から8~10科目で合格点を取らなければなりません。ここでは、英語・数学・社会を中心に科目別の難易度と合格率、出題傾向を確認します。

高卒認定試験(旧大検)の英語の難易度

好き嫌いが大きく分かれる科目であり、苦手意識が強い科目のひとつです。他の科目と比べて合格率が低く、高卒認定試験の中でも最難関科目とされています。

難易度は"中学3年生~高校1年生レベル"です。出題範囲は、中学で学ぶ基礎的な部分がほとんどで、高校で学ぶ部分はほんの僅かです。中学校英語をしっかりマスターすることがポイントになります。よく英会話も中学の基礎英語が重要と言われますが、高卒認定試験でもそれは同様です。苦手意識を払拭し、英語に慣れることができれば難易度はそれほど高くありません。

英語の出題傾向

英語で重要なのはなんといっても"単語・熟語"と"文法"です。ある意味、ここさえ抑えておけばなんとかなると言っても過言ではありません。単語と熟語は、1,000語+過去問に出てきたものは最低でも覚えてください。

具体的な出題傾向

  • 単語のイントネーション
  • 場面設定がされた会話文
  • 長文読解
  • 英作文

過去問を見てもわかるようにこの辺りは毎年出題されているので抑えておきたい部分です。国語の漢字と同様に、単語の問題や会話文は取りこぼしのないようにしましょう。

高卒認定試験(旧大検)の数学の難易度

英語と並んで高卒認定試験の中でも最難関科目のひとつです。苦手な人にとっては1番厄介な科目かもしれません。科目別合格率でも毎年のように下位になっています。

難易度は"中学3年生~高校1年生の基礎レベル"です。応用問題はあまり出題されません。苦手な方は中学レベルの問題から取り組み、基礎を固めればそこまで怖がる必要はありません。高卒認定試験の数学は、出題パターンさえ掴んでしまえば、「1番合格しやすい科目」とも言われています。他の教科のような大量の単語や年表、人名の暗記などがないので、教科書の例題や練習問題をやり込みましょう。

数学の出題傾向

数学は英語や社会と比べて出題パターンがつかみやすい科目です。また英語で"単語"と"文法"が重要なのと同様に、数学では公式をしっかり覚えることが鍵になります。

具体的な出題傾向

  • 因数分解、式の展開
  • 一次不等式、二次関数
  • 三角比
  • データの分析

"データの分析"は平成26年度から出題範囲になりました。計算や関数が苦手な方は、ここに力を入れることで合格がグッと近づきます。

高卒認定試験(旧大検)の社会の難易度と出題傾向

社会科系の科目は英語や数学と違い、複数科目の中から自分で受験科目を選択します。更に同じ科目の中からAかBを選ぶ特殊な分野になっています。

社会科系科目一覧

必修の世界史に加えて選択科目があります。まずは、社会科の選択科目を整理しておきましょう。

地理歴史世界史A・ 世界史B世界史A or 世界史Bのどちらか必修
日本史A・日本史B4科目の中からどれか1科目を選択
地理A・地理B
公民現代社会現代社会 or 倫理+政治経済のどちらかを選択
倫理+政治経済

"地理歴史"からは、世界史と別に日本史か地理のどちらかを選択します。"公民"からは、現代社会か倫理+政治経済のどちらかを選択します。

AとBの違いと選び方

世界史・日本史・地理にはそれぞれAとBがありますが、どう違うのでしょうか。また何を基準に選べば良いでしょうか。

  • Aは出題範囲が狭いので、高卒認定試験の合格だけを考えている人向け
  • B→出題範囲が広いので、センター試験や大学進学を見据えている人向け

大きな違いは出題範囲です。極端に難易度に差があるわけではありませんが、Aは範囲が狭いので勉強するポイントを絞れます。特に歴史系が苦手で、進学を考えていない方は、Aを選ぶと良いでしょう。

また、地理は社会科選択科目の中でも毎年合格率が高めなので、歴史や暗記が苦手という方は、日本史ではなく地理をおすすめします。

世界史の難易度と出題傾向

難易度は"高校の教科書レベル"です。中には教科書には載っていない出来事が出題されるケースもありますが、歴史系は深掘りしていくとキリがありません。高校の教科書の内容を流れとして理解していれば合格点(40点)は充分取れるので、要領よく勉強しましょう。

世界史Aは近現代史に比重をおき、世界史Bは古代~現代までの範囲からまんべんなく出題する傾向があります。共通の問題も見られますが、近年は問題構成の変化が激しい科目です。

具体的な出題傾向

  • ヨーロッパ史
  • アジア史
  • 第二次大戦以降の現代史

近年は、古代史やヨーロッパ史からの出題が減り、アジア史からの出題が増えているようです。写真や資料をもとにした問題が基本なので、教科書に出ている写真や資料はしっかり抑えておきましょう。また地域や時代で区切って覚えるのではなく、関連性や時代背景を意識し、歴史の流れを掴むことが重要です。出来事を写真や地図と関連付けて覚える地理的要素も大切です。

日本史の難易度と出題傾向

難易度は"教科書レベル"です。教科書に出ていないマニアックな問題やひっかけ問題は出ないので、教科書の内容を理解していれば充分に合格点は取れます。

日本史Aは、幕末から現代に比重をおき、日本史Bは旧石器などの古代史~現代までの範囲をまんべんなく出題する傾向があります。共通の問題も見られますが、日本史はBの出題範囲がAの約2倍です。

大学受験を見据えた方ならBをおすすめしますが、高卒認定試験を確実に合格したい方はAを選ぶのが良いでしょう。

具体的な出題傾向は以下の通りです。平成28年度第1回の出題範囲と問題構成です。

日本史A日本史B
江戸末期旧石器~平安時代の政治や文化
日本の近代化政策平安末期~安土桃山時代の日本
第一次世界大戦後の日本江戸時代の政治や文化
大正~昭和前半の経済や政治幕末~明治時代の日本の近代化
昭和の日本第一次世界大戦前後の日本
第二次世界大戦後の経済昭和の日本
第二次世界大戦前後の経済

世界史同様、写真や絵、文献などをもとにした問題が多い傾向です。問いに適した画像を選択するような問題もあるので、教科書に使われている写真や資料は必ず抑えておきましょう。また時代の流れを変えるきっかけとなった出来事などは必須です。年号や単語だけを暗記するのではなく、歴史の流れや関連性をつかむようにしましょう。

地理の難易度と出題傾向

難易度は"教科書レベルの基礎知識"です。AとBで難易度はそれほど変わりません。歴史系ほど出題範囲に違いもありません。しいていうなら、Aは狭く浅く、Bはそれよりも少し広く深く掘り下げた問題が出る傾向です。確実に合格を目指すなら地理Aをおすすめします。

近年は、出題範囲・問題構成共に大きな変化はありません。ほぼ同じようなテーマで出題されているのも合格率が高い要因なのかもしれません。

具体的な出題傾向は以下の通りです。平成28年度地理Aの出題範囲と問題構成です。

  • 地球儀や地図から捉える現代世界
  • 世界の生活・文化の多様性
  • 地球的課題の地球的考察
  • 自然環境、防災、身近な地図
  • 身近な地域の自然と生活

とにかく問題ページ数が多いのが特徴です。暗記力よりも大量の資料を読み解く読解力が必要です。本番の試験では時間配分も大切になるので、教科書よりも過去問を繰り返しやって慣れることが重要になるでしょう。

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